茶の湯で出される菓子は、西欧の「スイーツ」とは全く異なります。茶の湯の菓子の目的は茶の味を引き立てることに あります。茶席の菓子には主菓子と呼ばれる生菓子と、干菓 子の 2 種類があり、いずれもお茶を飲む前に食べますがこれも茶の風味をより楽しむためです。菓子は色、形でも茶の湯 の楽しみを引き立てます。花や流水、雪や紅葉など季節、あ るいは歳時記や古典文学に関連したモチーフを微妙な色彩、 抽象的な姿でかたどり、客に茶会のテーマを連想させます。 和歌や季語に関連した「菓銘」が、より深いイメージをかきたてることもあります。